TRPGとは
TRPGは、Table talk Role Playing Game(テーブルトーク・ロールプレイングゲーム)の頭字語です。「ルールブックのあるごっこ遊び」というのが、簡単な例えになるでしょうか。ごっこ遊びは役割を演じることを表します。戦士なら戦士の、魔法使いなら魔法使いの役割を演じて楽しみます。
ゲームの参加者をプレイヤー、ゲームの進行役をGM(ゲームマスター)と呼びます。プレイヤーはルールに基づいて自分の分身となるキャラクターを作り、演じることでゲームに参加します。GMはシナリオを用意し、キャラクターの行動をルールに則って審判し、結果を返します。これを繰り返しながら、GMの設定した結末(時には誰も予期していない結末)の達成を目指すのが、TRPGというゲームです。
このゲームの遊び方
このゲームでは、プレイヤーは「冒険者」となっているキャラクターを操作して、ゲームに参加していくことになります。
冒険者とは、何かを追い求め、それが手に入る日を夢見て世界を旅する人たちの総称です。そのためには危険を顧みない、命知らずでタフで、頭のキレる連中です。
普通の生活や大切な生命を懸けてまでして、何を追い求めているのか?それは人によって様々です。名誉、財宝、夢、真理…。
あるいは、世界の平和を求めているのかもしれません。世界の平和とは、究極的には「魔王」の撃破に他なりません。魔王を倒す存在と伝説で語られる「勇者」を探し求める旅をしているのかもしれません。あるいは、自分が「勇者」であることの証を見つける旅をしている…そんな人も、見かけるかもしれません。
世間一般には、冒険者は体のいい傭兵・護衛、魔物退治のプロ、賞金稼ぎ、私立探偵、便利屋さんといったイメージで受け入れられています。実際、このゲームでも冒険者たち(とくに駆け出しの頃)は、こうした仕事をこなして、世間・社会の信用を得て名声を挙げるといった作業が多くなることでしょう。
中には信用を失い、荒くれとして他の冒険者を差し向けられ、討伐されてしまった…などといういたわしい話も少なくないとか。志のない冒険者は、社会悪として退治の対象になってしまうのです。冒険者は自由に行動する事を保証されていますが、訪問先の国家の秩序を乱すような行動が多い場合は治安部隊の注意を引き、最悪の場合は投獄される可能性もありますので、くれぐれも注意してください。
プレイヤーの目的
TRPGを遊ぶプレイヤーの目的は、端的に言えば「次もまた遊びたいと思えるほど楽しむ」ことに他なりません。
TRPGは、プレイヤー同士が戦うゲームでも、GMとプレイヤーが勝敗を争うゲームでもありません。ゲームの参加者は、常にこの言葉を頭の片隅に置いてプレイを心がけてください。
プレイヤーは、GMの決定に従ってください。時にはGMが間違えることもあるでしょう。それを指摘することは構いませんが、最終的な判断を下すのはGMです。この決定に不服を申し立て続けてしまえば、セッションの進行を大きく妨げることになってしまうでしょう。
GMは、自分自身も含め参加者全員が楽しめるよう、可能な限り公平な裁定を心がけるようにしてください。プレイヤーはGMの物語を紡ぐ駒ではありません。自分の優越感を満たすための不公平な判定を行うのは愚の骨頂です。
また、GMはプレイヤーを接待するスタッフではありません。単に楽しみ方が違うだけの、プレイヤーと同じゲームの参加者です。参加者全員が楽しめるよう、お互いへの配慮を心がけましょう。
TRPG化について
『ドラゴンクエスト』は、主人公(たち)をコマンドで操作し、ラスボスたるモンスターの親玉を退治することを目的として世界を旅する、家庭用コンピュータゲームとして発売されて来ました。日本のゲーム観に大きな影響を与えたと言われ、その知名度も抜群なゲームです。
ゲームとしての人気も完成度も高い『ドラゴンクエスト』。
しかし、TRPG化するに当たっては、上記「家庭用コンピュータゲーム」という特色が大きな障害となってきます。単純な呪文や特技、武器防具1つ取っても「どうやって運用・解釈したらいいか分からない」という困った状況になりかねないのです。
例えば…「リレミト」。ドラクエ好きにはお馴染みの「ダンジョンから脱出する呪文」ですが、そもそもどうやって脱出しているの?瞬間移動だとするなら、どうしてダンジョン以外の場所では使えないの?どうやってダンジョンかダンジョンじゃないかを判別しているの?戦闘中に危険を回避するために使えないの?
例えば…「かえん斬り」。剣に炎をまとわせて攻撃力を上げる特技ですが、どうして槍では使えないの?燃えやすいものに火を付けることはできるの?「ひのきのぼう」で使ったら燃えてしまわないの?
例えば…「天使のレオタード」。あんなに露出多いのに、どうして「はがねのよろい」よりも守備力が高いの?魔法がかかってるのだとしたら、どんな魔法がかかっているの?
などなど、自由度の高いTRPGの世界・システムとして運用する場合、『ドラゴンクエスト』(というか、おそらくコンピュータゲームのRPG全般)は、かなり考えなければならないことが多いゲームだということが分かります。
では、TRPG化に当たって、それらの課題はどうするのか…?
その答えは、「無理があるものは思い切って改変する。できるだけフレバーは残す」を基本方針とする。そのようにして構築していくことにしました。
結果、本来の『ドラゴンクエスト』とは違った作品になっている可能性大ですが、これも愛ある形のひとつとして温かく見守って頂けたら幸いです。
冒険舞台について
『ドラゴンクエスト』はシリーズ化・ブランド化されており、多くのナンバリング作品が販売されています。
このゲームをプレイするにあたっては、プレイヤーおよびGMの好きなナンバリング世界でプレイすることを推奨しています。
もちろん、既存のナンバリング世界ではなく、オリジナルの世界を「ドラクエ風に遊ぶ」プレイスタイルも面白いでしょう。
また、このサイトでは、制作者の考えるオリジナル架空の世界をサンプルとして紹介していこうと考えています。
大前提
サイコロ(ダイス)について
TRPGは、何らかの乱数を用いてゲーム性を担保しています。トランプやタロット、乱数アプリなど様々ありますが、このゲームではサイコロ、それも六面体のみを使用します。
サイコロは英語で「ダイス(dice)」と呼ばれ、この頭文字を取って「d」で表記されます。「1d」と書かれていたら1個、「3d」と書かれていれば3個の六面体のサイコロを振る意味になります。
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