ドラゴンクエストTRPG

キャラクター作成

このゲームの世界に存在する登場人物。それがキャラクターです。特に、プレイヤーがゲームに参加するために用意するキャラクターを、プレイヤー・キャラクター(PC)と呼びます。

キャラクターは、いくつかのデータで構成されています。このページでは、キャラクターの作成方法についてご紹介します。

キャラメイクの概要

TRPGを遊ぶには、プレイヤーの分身になるキャラクターが必要です。キャラクターがゲームで様々な活動をするために、それに応じたデータを用意しなければなりません。これらのデータを作っていくことでキャラクターは成り立って行く…この作業を「キャラクターメイキング」、略して「キャラメイク」と称します。

キャラメイクではデータだけでなく、職業や性格、年齢などを考えたりしてキャラクターの設定を充実させていきます。剣士、魔術師、司祭、盗賊などといった様々な職業に就けたり、変わった趣味を持たせたり……なりたいものになれる、その自由さこそがTRPGの魅力であり、もっとも面白い部分と言えるのですが、時間がない人や、どう作ったらいいか分からない人には悩みの種にもなってしまいます。GMは、そうした人にも留意するよう心掛けてください。

キャラメイクの手順

キャラクターは、以下の手順で作成します。

  1. 職業を決める

    職業(基本の役割)から、キャラクターの職業を1つ選びます。この選択がキャラメイクの一番のポイントとなります。職業は8種類あります。キャラクターシートの欄に記入してください。

  2. スキルを決める

    職業には選べるスキルが3つあります。このうち2つを、選んで習得します。

    職業で決まる「スキル」以外に、もう1つスキルを習得します(合計3つの「スキル」が初期状態となります)。職業で用意されたスキルから選んでも、全く異なるものにしても構いません。

    スキルを選択すると、初期の「特技」が決まります。キャラクターシートの欄に記入してください。

  3. 心得を決める

    能力値から計算して、心得の初期値を決めます。

    なお、「素質」「才能」に属する心得は、キャラメク段階でしか習得することができないので注意してください。詳しくは【心得】のページをご覧ください。

  4. 所持金・所持品を決める

    初期所持金の1,000Gを使って、装備を整え冒険用品を準備します。

  5. 装備品・携帯品を決める

    武器や防具は、装備せずに持っているだけでは意味がないのは、TVゲーム版もTRPGも変わりません。

    また、所持品の中から即座に使用するために準備する「携帯品」も決めてしまいましょう。

  6. 性格を決める

    用意された10個の「性格」の中から、プラスの性格を2つ、マイナスの性格を1つ選択します。

    「性格」は「スタイル判定」に使用されるなど切り札的な要素もあります。

    「性格とスタイル」

  7. 名前・性別・年齢を決める。

    キャラクターの名前・性別・年齢を決めます。

キャラクターデータ

名称 解説
能力値

キャラクターの強さ、個性を数値で表したものです。能力値は〈 〉で表記されます。〈筋力〉が強ければ重いものを持ち上げられ、〈素早さ〉が高ければ華麗なアクロバットを披露できたりします。判定に用いられるほか、戦闘パラメータにも反映される重要なデータです。

職業

パーティにおける「キャラクターの役割」を表します。自由に決めることができますが、戦力バランスを考慮してパーティの仲間と相談して決めるようにしましょう。なお、このゲームでは基本的に、いわゆる「転職」はできません。しかし、後述の「スキル」システムにより、近いことはできるようになります。

スキル

「職業」を細分化したものです。1つの職業につき3つのスキルがあり、複数の職業で共通するスキルもあります。スキルには「レベル」があり、レベルがアップすると「特技」を習得できます。

特技

「スキル」の習得で行えるようになる特別な行動や特殊能力です。特技は〔〕で表記されます。〔〆かえん斬り〕〔√祝福の杖〕〔◎器用な才能〕など、具体的な行動をともなって戦闘中に使用されるものが多い特徴があります(特技名の戦闘についている記号の意味については、「特技」で解説します)。〔◎HPアップ +10LV〕のようにレベルが設定されているものもあります。スキルレベルを成長させた際に習得(レベルアップ)できますが、特定の特技や一定のスキルレベルを前提とする特技もあります。また、特定の武器や防具などを装備している間だけ習得できる特技(これを「従属特技」と呼びます)も存在します。

心得

キャラクターが学び身に着けた知識や技術です。心得は{ }で表記されます。{水泳}{軽業}{モンスター知識}など多岐にわたります。心得にはレベルがあり、スキルや特技に比べて、比較的多くの成長の機会を得られます。また、成長を続けると能力値の成長にもつながっていきます(スキルが職業を細分化したものであるように、心得は能力値を細分化したものと言えます)。このゲームでは、行為判定はほぼ「能力値」のみで行われますが、心得レベルが高ければ、判定時に「振り直し」や「難易度の軽減」などの特典を得られます。

能力値

キャラクターの基本的な個性を表すデータです。能力値は〈素早さ〉のように山括弧〈 〉で表されます(山括弧で表記されていなければ、一般的な意味で使われています…〈筋力〉は能力値ですが、「筋力」は一般的な意味での筋力を表しています)。

キャラクターが試みた行為が成功したかどうかを判断するために使用されるほか、「追加ダメージ」や「呪文威力」「耐久値」などの計算にも関わります。

キャラクター作成直後の「能力値」は、後述しますが「心得」の習得によって決まります。

能力値
名称 解説
〈筋力〉(ちから)

重いものを運んだりする力仕事、誰かと物を取り合ったり押し付け合ったりする力比べなど、力の強さを表します。重たい武器・防具を使いこなすには高い「ちから」が必要です。

〈体力〉(たいりょく)

身体的な頑強さ、生命力の高さ、メンタルの強さ、健康度を表す能力値です。毒物に冒されたり、病気にかかったり、体調不良の危険のある環境に置かれたりした時の「生命抵抗」や、「生死判定」に使用されます。

〈素早さ〉(すばやさ)

身のこなしや運動神経、平衡感覚が必要となる時に使われます。テクニカルな武器・防具を使いこなすには高い「すばやさ」が必要です。このゲームでは、行動順にはあまり関係してきません。

〈器用さ〉(きようさ)

手先の器用さや動作の正確さを表します。何かを作ったり、操作したり、鍵やトラップを外したりする時に使用します。また、こうした作業中の集中力も表します。

〈鋭敏さ〉(するどさ)

五感や直観力の鋭さなどを表します。発想力や感性の豊かさも含まれるため、観察力、分析力、コミュニケーション力なども表します。

〈賢さ〉(かしこさ)

記憶力の高さや頭の回転の速さ、情報の処理能力などを表します。呪文の使いこなしにも重要です。

〈魔力〉(まりょく)

天を流れる龍脈、地をめぐる地脈。世界を覆う精霊力に自分の精神を重ね、その力を引き出して具現化する創造力・魔法の順応性を表します。呪文の威力や成功率に影響します。

〈幸運さ〉(うんのよさ)

運や偶然の巡り合わせの良さ、そうした経験の豊富さなどを表します。運も実力のうち。自力では如何ともしがたい状況を切り抜けたり、運に大きく左右される事件や特定人物と接触した事実があるかといった判断にも使用されます。

戦技値

戦技値は、能力値と同じく〈〉で表されます。能力値の一種ですが、戦技値には属する心得がなく、成長の方法が異なります。

戦技値の種類
名称 解説
〈攻撃力〉(こうげきりょく)

武器の扱いの巧みさを表す能力値です。戦闘中の「攻撃判定」で使用されます。このゲームでは「攻撃は当たるもの」が原則なので、攻撃判定は「命中率」ではなく「与えるダメージの威力」に影響します(例外的に「命中するかどうかの判定」として使用されることもあります)

〈防御力〉(ぼうぎょりょく)

身の守りの巧みさを表す能力値です。戦闘中に攻撃を受けた際の「防御判定」で使用され、「防いで軽減できるダメージ量」に影響します。

〈呪文力〉(じゅもんりょく)

呪文を発動させる力量を表す能力値です。戦闘/非戦闘を問わず「呪文判定」で使用されます。呪文の威力や、相手の抵抗を突破する確率に影響します。

〈道具力〉(どうぐりょく)

戦闘中に「道具」を正確に使用するための能力値です。非戦闘中に使用されることはありません。このゲームでは弓矢による射撃や投擲の命中などは〈道具力〉での判定になります。

〈抵抗力〉(ていこうりょく)

魔法抵抗や意思の強さを表す能力値です。呪文や特技によって魔法をかけられた時に、それを振り払う「抵抗判定」や、好奇心、恐怖、強要に抗うための「意思判定」に使用されます。

耐久値

耐久値は、激しい活動、厳しい状況、戦闘のダメージ、呪文や特技の使用などにキャラクターが耐えうる頑強さを数値化したものです。判定そのものには使用せず、その減少の度合いによってキャラクターの状態を表わす、リソースとして使われます。これらがなくなることで、ゲーム的には不利なことが起こります。HPが0になると戦闘不能になり、MPが0になると呪文が使えなくなります。

耐久値の種類
名称 解説
HP(ヒットポイント)

怪我やダメージに耐えるための耐久値です。この値がゼロになると戦線離脱になります(死亡かどうかは状況によります)。回復呪文や回復アイテム、応急手当などで回復させることができます。宿屋でも回復しますが、TVゲーム版とは違ってフル回復まではしません。細かい話は別項に譲りますが、「HP0」と「死亡」は必ずしもイコールではないことに注意してください。

MP(マジックパワー)

呪文やMP消費型の特技を使用する際に必要となります(MPが足りないと使えません)。この値がゼロになっても、特にペナルティはありません(気絶するなどはありません)。TVゲーム版と同じように宿屋に泊まると(6時間以上の睡眠で)フル回復できます。

SP(スキルパワー)

SP消費型の特技を使用する際に必要となります(SPが足りないと使えません)。冒険を潜り抜ける冒険者であれば、誰もが備えています。SPが必要となる特技を使用する際に必要となります(SPが足りないと使えません)。こちらも、宿屋に泊まると(6時間以上の睡眠)フル回復できますが、短い休息でもいくらかは回復できます。

BP(バトルポイント)

キャラクターの戦闘時の活躍ぶりを表すヒーローポイントです。特殊な耐久値で、初期値は「0」ですが、戦闘に参加していると自動的に増えていき、SP消費型の特技を使用する際にSPの代わりに消費することができます。戦闘が終了すると、残りの量に拘わらず「0」に戻ってしまいます。

その他のデータ

上記以外の、キャラクターシートに載っているデータ項目をご紹介します。

名称 解説
ポケット

所持品の中から、とっさに使用できる「どうぐ」の上限数です。これ以上の「どうぐ」を持つと、「どうぐ」使用時の選択がランダムになってしまいます(使いたいものを「あれじゃないこれじゃない」と必死で探す「ドラ●もん状態」になってしまうわけです)。〈器用さ〉が影響しますが、装備している防具やカバンによる修正も加わります。

所持金

キャラクターが所持しているお金です。単位は「G(ゴールド)」。TVゲーム版とは異なり、所持金はパーティ全員で一括管理するのではなく、1人1人が所持します。キャラクター間で貸し借りなどは自由です。

経験値

このゲームでは、経験値は数値ではなくチェックボックスで表されます。チェックボックスは「スキル」ごとに列があり、冒険をしてシナリオをクリアするごとに、スキルを1つ選んでチェックを入れていきます。一定数のボックスが埋まると、スキルレベルがアップして新しく「特技」を得ることができます。